海外FXで怖いのは、為替レートの急変動によって短時間で大損する可能性があることです。
為替レートの急変動は定期的に起こり、その度に借金を抱えて引退するトレーダーも少なくありません。
もちろん、為替の急変動が起こっても、最小限のダメージで済む人もいれば、為替の動きを利用して逆に大きな利益を得る人もいます。
同じ条件でも、大損する人もいれば、大儲けする人もいるのが海外FX。
ハイレバレッジが使える海外FXでは、大損しないために注意する点がいくつかあります。
今回は2019年に起きた為替変動を事例に、大損するトレーダーの特徴や、大損しないためのコツを紹介します。
Contents
2019年の為替急変動
FXをしている人にとって、2019年1月3日は記憶に残る日になったでしょう。
一時的に円相場が急上昇し、1ドル108円だったのが1ドル103円台まで円高ドル安が進みました。
1時間の間で5円(500pips)以上の値動きが発生し、この為替急変動によってロスカットするトレーダーが続出しました。
ネット上の口コミを見ても、
- 1000万円の利益があったのに、一瞬で100万円以上の借金を抱えた
- 2018年の利益がすべて飛んだ。FXの税金が払えない。
- 一瞬でロスカット。そして追証請求。ホームレスになるしかない。
- 一発退場。引退してホームレスの道。
など、急激な為替変動によって大損した人の悲痛な声が溢れていました。
正月だったため、休暇を取っていた人は難を逃れました。
しかし、このような為替急変動はいつ起こっても不思議ではありません。
短期間で為替が急変し、市場が混乱する現象を「フラッシュクラッシュ」と言います。
なぜ、2019年の正月にフラッシュクラッシュが起こったのでしょうか?
理由を詳しく見て行きましょう。
正月で流動性が下がっていたため
1月3日は世界的に休暇となるため、世界的にドルや円の取引が減ります。
ドルを買う人が少ないことを利用し、一気に円買いドル売りを仕掛けた大口トレーダーによって、フラッシュクラッシュが起こったと考えられます。
つまり、円買いの取引だけが短期間で急増し、反対にドル買いは進まなかったため、1時間で5円も動くような相場が形成されてしまったのです。
円高がきっかけとなり、強制ロスカットが発生。
そして、ロスカットによって円買いドル売りが発生し、さらに円高が進みました。
流動性が下がっている正月は、1人のトレーダーが市場に与える影響も大きくなるため、より大きな為替変動が起こりやすいのです。
AIの影響もある
2019年1月3日の円高ショックは、AIの影響も大きいと言われています。
年始で休日だったため、生命保険や年金基金、実需企業などの機関はいずれも営業しておらず、取引参加者は少ない状態でした。
このタイミングでニューヨーク市場の円高の流れを受け、AIが自動的に円買い注文を行いました。
本来なら円売りのトレーダーが増えるため、急激な為替変動の発生にはつながりません。
しかし、正月で円売りに応じるトレーダーがいなかったため、円高に歯止めがかからなかったのです。
AIを使った高速取引や、アルゴリズム取引の増加に伴い、多くの市場でフラッシュクラッシュが起こりやすくなったと言われています。
もちろん、世界経済の冷え込みや、大手企業の業績低迷などの影響も無視できません。
複数の要因が複合的に絡み合い、フラッシュクラッシュにつながったのです。
海外FXで大損しないための5つの方法
2019年1月3日のようなフラッシュクラッシュは、これから先も起こる可能性があります。
状況によっては、もっと激しいフラッシュクラッシュが起こっても不思議ではありません。
フラッシュクラッシュが起こると、借金を抱えてFX市場から引退するトレーダーや、中にはホームレスになってしまうトレーダーもいます。
そうならないために、
- 追証なしの海外FX会社
- 損切り設定
- 適切なレバレッジ設定
- ポジションの保有時間
- 取引するタイミングに注意する
など、5つのポイントに気を付けましょう。
それぞれのポイントについて解説します。
追証なしのゼロカットがある海外FX業者を選ぶ
「フラッシュクラッシュで借金した!」という声は多くありましたが、借金を抱えたトレーダーの多くは、国内FX会社を利用していた国内トレーダーでした。
フラッシュクラッシュのように為替が急に動くと、ロスカットが間に合わない場合があります。
そうなると、証拠金維持率を大きく下回り、「-○○万円で約定」と言ったように、借金を抱えてしまいます。
抱えた借金は“追証”として、FX会社に返済しなければなりません。
国内FXは、どのFX会社も追証があるため、国内FXトレーダーは多額の借金を抱えてしまったのです。
ちなみに、国内FXは海外FXのようにハイレバレッジが使えず、レバレッジの上限は25倍に制限されています。
レバレッジに制限をかけているのは、レバレッジに規制をかけて追証のリスクを減らすためです。
しかし、フラッシュクラッシュのような大きな値動きが発生すると、レバレッジ25倍でも追証請求を受けます。
海外FXだと、“追証なしのゼロカットシステム”を導入している海外FX会社が多くあります。
ゼロカットシステムは、口座の残高が0円を下回った借金分は請求しないシステムです。
海外FXは100倍や1000倍のレバレッジが使えるため、“危険”と思っている人もたくさんいます。
ですが、100倍や1000倍のレバレッジを使って取引していたとしても、ゼロカットシステムがあるおかげで、2019年1月3日のフラッシュクラッシュで借金を抱えることはありませんでした。
負けて資金が0円になっても借金はないため、新たに取引に使える資金を用意すれば、引退する必要もホームレスになる必要もないわけです。
すべての海外FX会社に追証なしのゼロカットシステムがあるとは限らないため、事前に調べてから海外FX会社を選びましょう。
逆指値を入れて損切りする
フラッシュクラッシュが起こると、短時間で急激なレート変動が発生するため、「気付いたら大きな含み損を抱えている・・。」と言う状況にもなり兼ねません。
損失を少しでも減らすためには、逆指値を使った損切りがおすすめです。
逆指値注文というのは、以下のような注文方法になります。
現在の価格が110円だった場合、
- 1ドル=112円より上がったら買う
- 1ドル=108円より下がったら売る
1ドル108円より下がったら売ると逆指値注文しておけば、1ドル105円まで下がっても1ドル108円の時点で決済されるため、損失を最小限に抑えられます。
もちろん、フラッシュクラッシュが起こるような激しい値動きだと、逆指値決済が間に合わず、大幅にスリッページして約定する場合もあります。
しかし、逆指値を入れない場合に比べると、スリッページが発生したとしても、決済後の証拠金維持率は高い水準でキープできます。
レバレッジの設定を間違えない
ゼロカットがある海外FXなら、フラッシュクラッシュが起こっても借金は抱えません。
しかし、口座残高が0円になってしまい、大きな損失を被る可能性は十分にあります。
特にレバレッジを使って取引量を増やしていると、少しの値幅でも大きな損失を被るので注意が必要です。
たとえば、10万円の証拠金で1ドル100円の通貨を買うとします。
為替レートの上場に伴い変化する利益額は以下の通りです。
ドル円レート | レバレッジと利益額 | ||
1倍(1000通貨) | 10倍(1万通貨) | 100倍(10万通貨) | |
100円 | 1000円 | 1万円 | 10万円 |
101円 | 2000円 | 2万円 | 20万円 |
102円 | 3000円 | 3万円 | 30万円 |
103円 | 4000円 | 4万円 | 40万円 |
104円 | 5000円 | 5万円 | 50万円 |
105円 | 6000円 | 6万円 | 60万円 |
フラッシュクラッシュでは5円の値動きが発生しました。
5円の値幅に対し、レバレッジ10倍なら5000円の損益、レバレッジ100倍なら5万円の損益、レバレッジ1000倍なら50万円の損益が発生しているのが分かります。
レバレッジが大きいほど、利益は大きいですが、損失も大きくなります。
チャートを見ながら取引するのであれば、相場の急変に対応できるため、ハイレバレッジを使っても問題ありません。
取引中にチャートを見ない時間帯があるなら、レバレッジは引き下げて運用しましょう
1つのポジションを長く持たない
ポジションを長く持てば持つほど、為替変動のリスクも高くなります。
特にハイレバレッジを使ってトレードできる海外FXにおいて、必要以上にポジションを持つトレードは不向きです。
ポジションの保有時間に応じて、以下のように4つのスタイルで分けられます。
取引スタイル | ポジションの保有期間 |
スキャルピング | 数十秒から数十分 |
デイトレード | 数時間から1日 |
スイングトレード | 数週間から数カ月 |
ポジショントレード | 数カ月から数年 |
フラッシュクラッシュのリスクが、もっとも小さいのはスキャルピングです。
ポジションを翌日に持ち越さないデイトレードもリスクは小さめですが、チャートを見ない間に為替変動が起こる可能性もあるため、損切り設定を忘れないようにしましょう。
スイングトレードやポジショントレードは、フラッシュクラッシュのリスクがもっとも高くなります。
もし、長期的にポジションを保有するなら、レバレッジは引き下げて運用しましょう。
流動性が下がっているときは取引しない
2019年1月3日のフラッシュクラッシュは、正月で流動性が下がっていたのも深く関わっています。
流動性が下がるタイミングは、トレーダー1人が相場に与える影響も大きくなるため、予想しない値動きも起こりやすくなります。
大口トレーダーの為替介入のように、意図的にレートを動かそうとする働きが強くなるのも、流動性が下がっているタイミングです。
流動性が下がりやすいタイミングとして、
- 世界三大市場がクローズする午前6時から7時頃
- ゴールデンウィーク
- 12月25日から1月3日にかけてのクリスマス・年末年始休暇
などがあります。
また、経済の重要指標発表前も流動性が下がりやすいタイミングです。
市場の参加者数が少ないのではなく、重要指標発表直後の取引に備えるため、一時的に流動性が下がります。
指標が発表された直後も市場が混乱するため、レートのアップダウンが激しくなり、フラッシュクラッシュが発生するケースもあります。
過去のフラッシュクラッシュの事例
2019年1月3日の円高ショックを事例に、借金する理由や大損しない方法を紹介してきました。
このようなフラッシュクラッシュは、定期的に起こっています。
過去の事例として、
- 2010年5月6日・・・93円から88円まで急落。
- 2011年3月17日・・・79円から76円まで急落
- 2015年8月24日・・・121円から116円まで急落
などがあります。
いずれも短時間のうち、3円~5円ほどの円高になっているのが特徴です。
「フラッシュクラッシュは、いつ起こってもおかしくない!」という危機感を持ち、トレードを行う必要があります。
海外FXで大損しないために
海外FXで大損しないためには、無理なトレードを行なわず、ルールを決めて取引を行なうことです。
特に意識したいのが、
- レバレッジの管理
- 取引ごとに損切り設定
- 流動性の低いタイミングにポジションを持たない
- 追証なしの業者を選ぶ
- ポジションを短く持つ
の5つです。
フラッシュクラッシュを完全に防ぐのは難しいですが、大損を防ぐことはできます。
海外FXはハイレバレッジが使えるので、「ハイレバレッジを使って短期間で資金を増やしたい!」と思うトレーダーも多いでしょう。
しかし、むやみにハイレバレッジを使って大損しては意味がありません。
トレードのルールを明確にし、堅実・冷静なトレードを心がけましょう。
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