海外FXをしていると、「ポジション」というワードが出てきますが、それは通貨の持ち高を示す言葉です。
そして、外貨を買っている状態、もしくは外貨を売っている状態を、
「ポジションを保有している」「ポジションを持っている」といいます。
FX取引で勝つためには、ポジションの状態を把握しなければなりません。
また、ポジションの仕組みを理解する必要もあります。
今回は、海外FXのポジションについて解説します。
Contents
海外FXのポジションとは?
ポジションの単語の意味は「位置」ですが、FXのポジションは注文してから決済するまでの保有している通貨ペアになります。
たとえば、1ドル110円の通貨があるとします。
1ドル110円で通貨を購入すると、「ポジションを保有」している状態になり、1ドル115円で通貨を売ると、「ポジションを手放した」状態です。
ポジションに関する知っておきたいワードは以下の5つです。
- ポジションスクエア
- ポジションメイク
- 塩漬けポジション
- 買いポジション(ロングポジション)
- 売りポジション(ショートポジション)
まずは、それぞれのポジションの意味を理解しましょう。
ポジションスクエアとは?
「スクエア」とは、ポジションがない状態を意味します。
FX取引では、“ポジションを閉じる”、“ポジションを手放す”のと同じ意味です。
ノーポジションとポジションをスクエアするは同義語になります。
また、1つの通貨ペアに対して両建てを行い、損益が固定された状態も“スクエアする”と言います。
スクエアは直訳すると、「正方形・まっすぐ」の意味です。
ポジションメイクとは?
「ポジションメイク」とは、ポジションを新規に売り買いする状態を意味します。
FX取引では、“ポジションを保有する”、“ポジションを持つ”、と言われる場合もありますが、どちらもポジションメイクと同義語です。
FX取引では、常に“スクエア”か“ポジションメイク”のどちらかの状態になります。
取引の場でポジションメイクのワードを使用する機会は少ないですが、ポジションに関するワードの1つとして覚えておきましょう。
塩漬けポジションとは?
「塩漬けポジション」とは、長期的にポジションを保有している状態を意味します。
食べ物を塩漬けにして長時間置く行為に由来し、含み損のポジションが含み益に転じる変化を期待して、塩漬けポジションにするケースがあります。
相場の反転が期待される場合は、塩漬けポジションが有効になりますが、相場が反転しないと含み損が増えて、ロスカットのリスクが高まるので注意が必要です。
買いポジション(ロングポジション)とは?
「買いポジション(ロングポジション)」とは、通貨を購入している状態を意味します。
FX取引では、買い待ちのポジション・買い玉を持つともいわれますが、先物取引やオプション取引でも使用されます。
ロングポジションは、将来的に値上がりすると判断した場合に保有するポジションです。
たとえば、1ドル110円が1ドル115円になると予想します。
1ドル110円の通貨を購入すると、買いポジション(ロングポジション)を保有した状態になり、1ドル115円で売ると5円×取引量の利益が得られるわけです。
“ロング”というワードが使われるのは、レートは価格が上がるときは、ゆっくり上がりやすい特徴があり、売りポジションに比べると、ポジションの保有期間が長くなりやすいためです。
つまり、“ロングポジション”は、ポジションを長く持ちやすいという意味になります。
売りポジション(ショートポジション)
売りポジション(ショートポジション)とは、通貨を売っている状態を意味します。
通貨を買って売る“買いポジション”はイメージできても、通貨を売って買い戻すのは理解が難しいですよね。
ショートポジションは、持ってない通貨を売って買い戻すことから、空売り・売り持ちのポジションと言われます。
ロングポジションと同様で、オプション取引や先物取引でも使用されます。
ショートポジションは、将来的に値下がりすると判断した場合に保有するポジションです。
たとえば、1ドル110円の通貨が1ドル105円に値下がりすると予想します。
1ドル110円の通貨を売り、1ドル105円になったタイミングで買い戻すと、5円×取引量の利益が得られるわけです。
“ショート”というワードが使われるのは、レートの価格が上昇に比べて下降の方が著しい動きになるケースが多く、買いポジションに比べると、ポジションの保有期間が“短い”ためです。
本来なら売りから注文できませんが、現物の受け渡しがなく、差金決済を行うFX取引では売りポジションができます。
そのため、FX取引ではどんな状況でも注文できるわけです。
ショートポジションは、以下のようにイメージしてみてください。
- 1ドル100円で売りポジションを持つために、1ドルを海外FX会社から借りる
- 借りた1ドルを100円に換金する
- 相場が変動し、1ドル90円になったタイミングで、100円で1ドルを買い戻す
- 1ドルを海外FXに返済し、残りの10円が取引の利益になる
空売りと言っても、感覚的には買いポジションと同じです。
現在のレートが、今後上がるか下がるかを予想して、買いポジション・売りポジションを決めていきます。
ポジションの決済について
ポジションを保有したままだと、含み損益が出ていても金額が確定してない状態です。
決済を行うことによって、損益の確定になります。
ポジションと決済の関係については、
- 買いポジションを持っているなら、売り決済
- 売りポジションを持っているなら、買い決済
になります。
利益が出ている状態で決済するなら“利食い”、損失が出ている状態で決済するなら“損切り”と呼ばれる場合もあります。
また、海外FX業者が定める証拠金維持率を下回ると、ロスカットが発動してポジションは強制決済です。
保有したポジションは、いずれ何らかの形で決済しなければなりません。
ポジションの保有期間
買いポジションや売りポジションを保有した場合、FX取引ではポジションの保有期間に制限はありません。
株取引や商品先物だとポジションの保有期間が決まっているため、更新するためにはロールオーバーして再度注文する必要があります。
しかし、FX取引では、FXの保有残高が自動的にロールオーバーされるため、保有期間の定めはなく、長期的な保有ができます。
ロールオーバーにかかるコストもなく、半永久的にポジションを持てるため、スワップ狙いでポジションを長期保有する取引手法もあります。
ポジション保有の3つの注意点
海外FXでポジションを保有する場合、以下の3つの点について注意しましょう。
- ポジションをきちんと管理する
- 週末にポジションを持ち越さない
- スワップがマイナスのポジションを持たない
ここでは、それぞれの注意点について解説します。
ポジションをきちんと管理する
FX取引では、1度に複数のポジションを持って運用ができます。
1つ2つ程度のポジションなら管理しやすいですが、それ以上ポジションを持ってしまうと、細かな管理ができなくなります。
短期間で何度も取引を繰り返すスキャルピングだと、複数のポジションを同時に持つシーンは少ないですが、デイトレードのように1日単位のトレードだと、複数のポジションを持っての運用も珍しくありません。
ポジションを複数持つなら、1つ1つのポジションに逆指値を入れて、自動的に損切りできる状態を作っておきましょう。
週末にポジションを持ち越さない
FX取引は、基本的に土日の取引ができません。
しかし、土日も世界の一部の為替市場はオープンしており、取引できない土日の間にレートが大きく変わる可能性も否定できません。
週末にポジションを抱えたままになっていると、週明けの月曜日に含み損が一気に膨らむ可能性も出てきます。
予期せぬレート変動に振り回されないためにも、できれば1日1日ポジションを決済させましょう。
スワップがマイナスのポジションを長期保有しない
ポジション保有における注意点の1つに、マイナススワップの長期保有があります。
スワップポイントは毎日付加されるものですが、マイナススワップだと、毎日一定の損失が発生します。
レンジ相場のようにレートの動きが小さい場や、為替差損が発生している場では、ポジションの保有日数に応じてマイナススワップの含み損が増大し、有効証拠金を減らします。
できれば、スキャルピングやデイトレードのように、長くポジションを持たない取引スタイルが望ましいですが、ポジションを長く必要が出てきても、スワップポイントがプラスになるポジションを持ちましょう。
ポジションを正しく理解して失敗しない取引を
FX取引は、「ポジションを保有→ポジションを決済」の繰り返しです。
どのタイミングでポジションを保有するのか、そして保有したポジションをどのタイミングで決済するかが重要になります。
最初のうちは、
- 1つ1つのポジションに対し、資金の2%くらいを目安に損切りラインを決める
- ポジションを次の日に持ち越さない
- ポジションを塩漬けしない
- 数日以上のポジション保有なら、マイナススワップのポジションは持たない
などのルールを決めておきましょう。
ポジションを正しく理解することで、FX取引の失敗を減らし、利益につなげることができます。
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