海外FXの手数料のひとつが、取引ごとに発生する「スプレッド」。
ECN口座を選択すると、スプレッドとは別に「取引手数料」が発生します。
他にも、「スワップポイント」から一定の手数料が差し引かれており、「スリッページ」の一部もFX会社の利益になっています。
取引以外だと、“口座手数料”や“入金・出金手数料”などもあります。
そこで今回は、
- スプレッド
- 取引手数料
- スワップポイント
- スリッページ
- 口座手数料
- 入金・出金手数料
など、海外FXにかかる手数料について徹底解説します。
Contents
海外FXの主な手数料はスプレッド
FX取引を始めると、「買値110.50円」、「売値110.48円」のように買値と売値には差があります。
買いポジションを保有すると、その時点で0.02円(2pips)の損失が発生、同じく売りポジションを保有すると、その時点で0.02円(2pips)の損失が出ているわけです。
この買値と売値の差を“スプレッド”と言い、注文した時点で発生しています。
海外FXの主な手数料は、取引ごとに発生するスプレッドです。
スプレッドの損失は、取引中に回収できるため、実際に手数料を支払っている感覚はあまりありません。
見方を変えると、FX取引は注文した時点でスプレッドの損失が出ているため、“スプレッドを回収しなければ、利益を出すことはできない”とも言えます。
それでは、海外FXのスプレッドについてもう少し詳しく見ていきましょう。
スプレッドは通貨ペアごとに違う
海外FXでは、円やドル、ユーロなど、取引量が多い通貨同士のペアなら、取引手数料が無料のスタンダード口座(STP口座)でスプレッドは0.8pips~1.5pips程度です。
ポンドやトルコリラ、ペソなど、取引量が少ない通貨が絡むペアだと、スプレッドは2pipsから5pipsを超える場合もあります。
このように、通貨ペアごとにスプレッドが異なるのは、取引量が大きく関係しています。
- 取引量が多い通貨ペア:1人のトレーダーが与える相場への影響が小さく、値動きが小さい
- 取引量が少ない通貨ペア:1人のトレーダーが与える相場への影響が大きく、値動きが大きい
海外FXは、トレーダーの注文を受けた海外FX会社が仲介し、インターバンクに注文を流します。
トレーダーの注文とインターバンクに流す注文にタイムラグが生じ、レートが変わってしまう場合があります。
この場合の損失は、基本的にFX会社が呑みます。
値動きが大きな通貨ペアほど、タイムラグによるレートの変化を受けやすくなるため、スプレッドを広く設定して損失をカバーする必要があるのです。
手数料の大小で見ると、
- スプレッドが狭い通貨ペア=取引コストが小さい
- スプレッドが広い通貨ペア=取引コストが大きい
という関係が成り立ちます。
スプレッドは変化する
スプレッドは、市場の動きに応じて変化します。
通貨ペアごとにスプレッドが異なるのと同じで、スプレッドの変化も取引量が深く関わっています。
たとえば、東京市場、ニューヨーク市場、ロンドン市場の3大市場がクローズする午前6時から7時頃は、取引量が大幅に減るため、他の時間帯よりもスプレッドが広がります。
長期休暇に入るクリスマスから年末年始にかけても、取引量の減少によりスプレッドは広がりやすい傾向があります。
逆に、取引量が急に増えてもスプレッドが広がります。
経済指標の発表前後、テロ、大企業の倒産などは、取引量が急増して市場が混乱し、レートの動きも大きくなってスプレッドが広がります。
スプレッドの計算方法
スプレッドの手数料は、「スプレッド×取引通貨数」で計算できます。
たとえば、スプレッドが1.0pipsの通貨ペアで1万通貨の取引をする場合、
「1.0pips×1万通貨=1000pips」となり、1万pipsは100円なので、スプレッドの手数料が100円かかったことになります。
スキャルピングだと、1日に50回以上の取引も珍しくありません。
この場合、スプレッドの手数料だけで、100円×50回=5000円発生します。
スワップポイントから差し引かれる取引手数料
FX取引は、レートの動きによって生じる為替損益以外に、“スワップポイント損益”が発生します。
スワップポイントは、通貨の金利差によって生じる金利差調整額です。
たとえば、金利1%の日本円で金利3%のドルを購入すると、「3%-1%=2%」の金利差が生じますが、この2%がスワップポイントになります。
反対に金利1%の日本円で金利3%のドルを空売りすると、-2%のスワップポイントが発生します。
スワップポイントは、ポジションを保有する限り1日ごとに発生します。
本来なら、どのFX会社を利用してもスワップポイントは同じになるはずですが、FX会社ごとにスワップポイントは異なります。
スワップポイントに差が生じるのは、スワップポイントから手数料を差し引いているためです。
海外FXの手数料はスプレッドがメインですが、10分ポジションを保有しても、1週間ポジション保有しても、1カ月間ポジションを保有しても、1回の取引で発生するスプレッドは同じです。
ポジションを長期間保有されると、海外FXはスプレッドの手数料が回収できません。
そこでポジションを長期保有するトレーダーからは、スワップポイントで手数料を回収するわけです。
海外FX選びのポイントとして、「スプレッドの狭さ」を重視するトレーダーは多くいます。
しかし、数日から数年かけてポジションを保有する“スイングトレーダー”や、“ポジショントレーダー”だと、スプレッドよりスワップポイントの手数料の方が重要です。
スワップポイントから差し引かれる手数料は、スプレッドのように表示されません。
見えない手数料の1つになるため、ポジションを長く持つ場合は、スワップポイントの高低にも注目しましょう。
スリッページの手数料
スリッページとは、「注文した価格と違うレートで約定する現象」です。
たとえば、1ドル110.50円のタイミングで買い注文を入れたにも関わらず、実際に110.55円で注文が入った場合、5pipsのスリッページが発生したことになります。
スリッページが起こるのは、サーバーの処理能力や相場も深く関係しています。
トレーダーが注文してからインターバンクに注文が流れるまでにはタイムラグが生じるため、その間にレートが変わってしまうと、スリッページが起こっても不思議ではありません。
しかし、スリッページ=取引コストなので余計な損失になります。
スリッページの発生頻度は、約定率が参考になります。
約定率は、注文に対し約定できる確率を示すものです。
約定率が90%なら100回のうち90回は注文がそのまま通り、残り10回はスリッページや約定拒否などが起こります。
約定率が高ければ高いほど、スリッページの発生は少なくなるわけです。
ほとんどの海外FX会社で約定率は90%を超えていますが、GEMFOREXのように約定率が99%を超えている海外FX会社もあります。
余計な手数料を支払わないためにも、スリッページの発生頻度が少ないFX会社選びをしましょう。
海外FXの口座手数料
海外FXの口座開設にあたり、どのFX会社も基本的に口座開設手数料は無料です。
しかし、「○○ヶ月の間、取引がない場合は○○円の口座維持手数料が発生する」というFX業者は多くあります。
口座維持手数料にかかる費用は、数千円程度です。
基本的に取引を続けていれば、口座関係でかかる手数料はありません。
使われてない口座に対し、口座維持手数料を請求するのは、
- 使用されない口座が悪用されるリスクを減らすため
- 口座の維持管理にコストがかかるため
などの理由があります。
口座維持手数料を払わないでそのままにしていると、休止や解約手続きが始まります。
入金・出金手数料
海外FXの入金・出金方法には、
- 銀行送金
- クレジットカード
- 仮想通貨
などがあります。
この中で、入金・出金手数料が安いのは「仮想通貨」と「クレジットカード」です。
いずれも、1回あたりの入金や出金にかかる手数料が無料~数百円程度になります。
銀行送金の場合、1回あたりの入金や出金に数千円程度の手数料が発生します。
中には、GEMFOREXのように、銀行送金でも手数料がかからない海外FX会社もあります。
入金や出金頻度が少なければ、入金手数料や出金手数料はそこまで気にする必要はありません。
しかし、入金や出金頻度が多い場合は、手数料もかなり多くなるため、入金・出金手数料が少ない海外FX会社選びをおすすめします。
海外FXでかかる手数料を知り資金管理しよう
海外FXでかかる手数料を紹介してきましたが、海外FXの取引でかかる手数料は、
- スプレッド
- 取引手数料
- スワップポイント
- スリッページ
の4つです。
スプレッドや取引手数料は分かりやすい手数料ですが、スワップポイントやスリッページは見えない手数料です。
長期運用するならスワップポイントを他のFX会社と比較し、スリッページを減らしたいなら約定率をチェックしましょう。
取引以外でかかる手数料は、
- 口座手数料
- 入金、出金手数料
がありますが、どちらの手数料も無料にできる海外FX会社もあります。
「海外FXはいろいろ手数料がかかって面倒そう」と思う人もいるかもしれませんが、国内FXでも、他の投資でも、手数料は同じくらいかかります。
海外FXにどんな手数料がかかるのか知り、適切に資金管理を行って取引を行ないましょう。
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